3月6日、高級部第58回の卒業式は私にとって感慨深い卒業式になりました。

本校創立60周年を迎える節目の年の卒業式でもあり、もちろん本校の教員として卒業生を見送る立場でもあり、又、私事ではありますが、娘がこの度高校を卒業することになり、長女・次女に続き最後の愛娘が高校生活を終えることになったのです。

式の練習を3回した時は別段何も思いませんでしたが、卒業証書を受け取る娘の姿を見ながら、「これでやっと自分の子供達を卒業させたと思うと同時に、幼い頃のことが目に浮かびました。姉の影響を受け3人とも舞踊の練習に励み、全力投球で学校生活を送り友人や数多くの先生たち・保護者の方々の愛情を受けここまで育った。」と思うと目頭が熱くなりました。

「本当に、よく頑張ったね!」と心の中で声をかけていました。

学校にいる時は教員として接し、家庭では父として接し娘なりに大変だったと思いますが、私も今思うと自分の子供たちが常に学校にいるので娘のクラスに授業に入るときは意識していたと思います。

家に帰ると、「今日の授業は難しかった。面白くないギャグはやめて!」とか、「今日のネクタイ昨日と一緒やない?」などたまに言ってくれることが刺激にもなりました。

卒業して一週間がたちますが、もう私の子供たちは学校にいないのかと思うと寂しい気持ちを隠しきれません。

毎年この時期に卒業式を迎えますが、ここまで生徒たちを指導して下さった12名の担任の先生たちや幼い頃から我が子のように後押しして下さった保護者の方々や地域の同胞たちの愛情を思うと感謝の気持ちでいっぱいです。

時には励まし、時にはアドバイスもして下さり、その過程で子供たちは成長しているのだと思います。

本校の卒業生は、今年で4,287名になりました。全国各地で民族的アイデンティティを持って色々な分野で活躍しています。

時には卒業生たちが学校に足を運んで部活指導をしてくれたり、自分の経験談を後輩たちに語ってくれたりしています。

後輩たちもそういう先輩たちの姿を見て見習うことも多いし、自然と受け継いでいると実感します。

私は、これからも我が校の生徒たちが学校生活を有意義に過ごし、同胞社会の担い手として立派に育っていくよう教員としての質を高め、日々努力して行こうと思うこの頃です。

「今年の、運動会はどこで食べようかな…」

 

2016年3月15日 九州朝鮮中高級学校 教務部長 朴廣赫