私たち在日コリアンがなぜ今日本に住んでいるのか? その理由とルーツを探すという目的で, 毎年高級部1年生を対象に行われている歴史フィールドワーク。

九州の筑豊地区には、戦前、戦後、朝鮮から渡って来て過酷な労働条件の下、異国の地で息を引き取った人たちが大勢眠っています。

雨の降る6月15日、無窮花堂と日向墓地を訪れ、語り部であるぺ先生のお話を聞きました。無窮花堂に安置された120個の遺骨には、名前がわからず「無名」と書かれたものもあり、また御堂の管理者が日本の方であるということにも、生徒たちは驚いていました。

日向墓地には日本人の立派なお墓が立ち並び、犬や猫のお墓もあるのに、故郷に帰ることを夢見ながら異国の地で死んでいった朝鮮人の墓はなく、ただ石が置かれている光景・・・このフィールドワークに先立ち、生徒たちは数日前から学校で、グループ別に強制連行についての本や資料を読み、事前調査した内容を発表してきました。

しかし現地で見聞きしたことは、その調査内容と想像をはるかに超える惨たらしいものでした。 「生きても死んでも差別を受けた」ぺ先生の言葉を涙なしに聞くことはできませんでした。   「悲しい過去を決して忘れまい。」「明るい未来と新しい時代を築くために、もっと勉学に励もう」など、各自学んだこと、感じたことを活字に書き留め、それを声に出し発表し、思いを共有しました。